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広報室 分子研リポート2008 | 分子科学研究所

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Academic year: 2018

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78 研究支援等

4-3 広報室

「アカウンタビリティ」という言葉が喧伝される昨今,研究者コミュニティばかりでなく,老若男女を問わず広く 一般の方々に,分子研の研究活動や役割を分かり易く伝えることの重要性が益々増加している。このような広報活動 を進める組織として,分子研には広報室が設置されている。現時点のメンバー構成は,広報室長ならびに副室長とし て研究教育職員2名,技術職員1名,技術支援員1名である。広報室では,この数年来,広報活動のより一層の充実 を目指して,以下のような様々な改革を進めている。

(1) ホームページの改善と全面改訂 (2) A nnual R eview 誌の全面改訂 (3) プレスリリースの支援と強化 (4) 分子科学フォーラムの充実 (5) 紹介ビデオの作成

(6) 日本科学未来館との連携

以下,各項目に関して簡単に報告する。

4-3-1 ホームページの改善と全面改訂

現在のホームページは平成17年に作成して以来,「トピックス欄」の増設,バナーの設置など誌面を魅力あるもの にするための様々な改訂を行ってきたが,依然,いくつかの問題が存在していた。そのひとつは「トピックス欄」の 更新頻度が低く,新鮮な情報を供給できていなかったこと,さらに,専門外の読者には内容が難しすぎることであった。 この問題を解決するため,各研究領域から積極的に原稿を投稿するよう依頼し,また,原稿内容は広報室担当教員が チェックして執筆者に改訂を求めるようにした。この改善により,少なくとも毎月ひとつは新たな「トピックス」が 追加されるようになり,ホットな研究成果を平易に紹介する記事が掲載されるようになった。もうひとつの問題は, 分子研共同利用業務との連携が不十分だったことである。すなわち,分子研ホームページにアクセスした研究者が共 同利用申請に至るまでの「流れ」が「見えにくい」という問題が指摘されていた。この問題を解決するために,共同 利用研究のページに「利用の手引き」や「機器一覧」等を追加するなど大幅な改訂を行なった。また,「4年目広報 W oman が綴る分子ウォッチング」という欄も,試験的に開設している。これは,分子研内の人々や日々の活動を技 術職員がブログ形式で紹介するもので,一般の方々の「分子研って,いったいどんなところなの?」という疑問に少 しでもお答えできることを期待している。

以上のように,広報室では様々な改善を行ってきたが,依然「継ぎはぎ」的な感を否めず,他の先進的な大学や研 究機関に匹敵する「親しみ易い」ホームページにするためには全面的な改訂が必要であるという認識に至った。この ため,「ホームページ改訂ワーキンググループ」を発足させ,所内の若い研究者の協力を得て,全面改訂の作業を進 めた。「動画」なども効果的に利用することにより,より親しみ易いホームページとなるよう企画した。この改訂では, 研究面でのアクティビティーはもとより,共同利用研としての意義と具体的な利用の仕方,総研大を含む教育面での 貢献等について,「誰が見ても直ぐ分かる」画面となることを最重要視している。改訂後の新ホームページは,平成 21年度当初より運用を開始している。

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研究支援等 79

4-3-2 A nnual R eview 誌の全面改訂

A nnual R ev i ew 誌は分子科学研究所の研究活動を外国に発信するための唯一の年間レヴュー誌として重要な役割を 果たしてきた。しかしながら,これまで A nnual R ev i ew は論文要旨を単に寄せ集めたような体裁になっていて,分量 が多いにも関わらず内容に統一感がなく,読みにくいという声が出ていた。このことは単に外国の研究者に分子研の 存在を知らしめる点においてマイナスであるだけではなく,特に,外国からの留学生を引きつけるという意味におい ては致命的な欠陥であるという認識に至った。このため,平成19年度 A nnual R ev i ew 誌の全面改訂を行なった。内 容としては,各研究グループの1年間の研究業績を,図などを含めてトピックス的に見開き2ページに分かり易くま とめた。また,研究者や研究スタッフの写真を載せ,全てのページをカラー刷りとして親しみ易い紙面を目指した。

4-3-3 プレスリリースの支援と強化

新聞,テレビなど報道機関を通じて「できるだけ分かり易い形で」研究成果を社会に発信していくことを目指して, プレスリリースを支援・奨励するための体制整備に取り組んでいる。こちらから積極的に情報を発信するという見地 から,岡崎市役所内にある市の記者クラブに研究者が出向いて,新聞・テレビ各社の記者を前にプレスリースを行な うこととした。その際,カラフルな模式図などを多用して平易に研究成果を説明したリーフレットを配布している。 この新規体制に移行した平成19年末より,これまでに既に5件のプレスリリースを行なっている。幸いなことに, その全てについて新聞に紹介記事が掲載された。プレスリリースを行なった研究者も,発表の準備や記者との質疑応 答を通して,自身の研究内容を一般の方々に分かり易く伝えることの重要性や楽しさ,さらに難しさを実感したよう であり,このような体験が,以後の研究の進展と深化に少なからぬ貢献を与えることは確実といえる。このように,「ア カウンタビリティ」を外的な圧力としてではなく,他者との双方向的なコミュニケーションを通じての自己啓発とし て位置づけることが極めて重要だと考える。所内研究者のより一層積極的な参画が期待される。

4-3-4 分子科学フォーラムの充実

分子科学フォーラムは,分子科学の内容を他の分野の方々や一般市民に紹介し,また,分子研の研究者がより広範 な科学の内容に触れて自身の研究展開に資することを目的として,1996年より実施されている講演会である。豊田 理化学研究所と共催で,これまで毎年6回開催されてきた。所内のコロキウム委員(研究教育職員2名)が運営を担 当してきたが,少数で対応せざるを得ないことから,講演内容や開催時期の選択という面で,効果的な運営が困難と なる場合が増えてきた。そこで,平成20年度からは,一般市民の方々に科学の面白さ・楽しさを広く知っていただ く「市民公開講座」として位置づけし直し,広報室を中心とした広報委員会が運営する体制に改訂することとした。 その際に,社会人や中高生学生などターゲットをできるだけ明確にして企画を立案した。平成21年度からは,更な る内容の充実を目指して,開催数を年4回に絞って実施する予定である。

4-3-5 紹介ビデオの作成

所外の見学者が研究所を訪問される際などにお見せする目的で,研究所の紹介ビデオの作成も行なった。分子研の 4研究領域(理論・計算分子科学,光分子科学,物質分子科学,生命・錯体分子科学)から各2名の研究者が出演し, 研究風景を交えながら各自の研究について紹介する内容になっている。専門業者に製作を依頼したが,できるだけ正 確に研究内容を紹介するように努めるとともに映像作品としても見ごたえのあるものとなるよう,各研究者と十分な 打ち合わせを行った上でカメラアングルやライティングにまでこだわった撮影や分子の動画CG作成を行なった。

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4-3-6 日本科学未来館との連携

東京お台場にある日本科学未来館は,最先端の科学技術に関する情報の発信と人の交流のための拠点として,館内 での展示やイベント,セミナーに力を注ぐばかりでなく,研究者・技術者,メディア,行政,学校,産業界などとのネッ トワークを築くことにも務めており,ともに活動することによって先端科学技術と一般市民とをつないでいくことを 目指している。館長の毛利衛氏は,かねてより分子研を含む岡崎3研究機関に少なからぬ興味を持たれておられたと のことであるが,平成20年11月7日に未来館職員3名の方々とともに岡崎を訪問され,3研究所を見学されるとと もに,研究所長との懇談,ならびに広報担当者との意見交換を行なわれた。これを契機として,日本科学未来館と岡 崎3研究機関とにおいて,学術研究交流の推進と一般を対象にした科学コミュニケーション活動の推進に資する活動 を図ることを目的として,相互協力に関する協定を締結することとした。具体的な相互交流としては,例えば,科学 コミュニケーション手法開発に関する協力,講演会・シンポジウム・イベント等の共同開催・協力・後援,展示物等 の共同開発,3機関による最新研究動向に関する未来館の研修への協力,3機関のアウトリーチ活動に関する未来館 の協力などが挙げられる。分子研としても,一般社会への広報・アウトリーチ活動の更なる展開に,本連携を積極的 に活用するべきと考えられる。

参照

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